購買システムをリプレイスし、運用コストの大幅な削減を実現。 同時にユーザー側の「使い易さ」も向上し集中購買のガバナンスを強化。
企業データ
設 立: 昭和39年12月
職員数: 約11,050名
病床数: 8,691床
1都4県に26病院・17介護老人保健施設を有する日本最大級の病院・福祉グループである上尾中央医科グループ(以下、AMG)様。
「AMGは最良の医療人を育成し、地域の人達に最高の医療・介護・福祉を提供します。」
「AMGは地域からも職員からも愛し愛される病院・施設にします。」
というミッションの基に、医療部門、福祉部門、教育部門の3つを活動の柱として、地域に密着した高レベルの総合医療を提供されています。
今回はグループの医療材料や消耗品の集中購買を実現すべく設立された、関連事業本部様にお話を伺いました。
AMG様では早い段階から集中購買への取り組みを実施してきた。
グループが保有する病院・介護施設・専門学校・研究所では、注射針や手術用手袋などの医療器具をはじめ、処方箋などの伝票類、洗剤などの生活雑貨類まで多岐に渡る物品を購買している。
これらの購買は、各々の病院や施設で個別の交渉と業務を行ってきた。
しかし、診療報酬の改定や人件費高騰など、安定した経営基盤を圧迫する要因が出る中で、経費削減・効率化に向けた取り組みがグループとしての必達課題となる。
そこで、分散購買から集中購買にシフトし、全社最適のコストメリットを享受すべく、平成7年に関連事業本部に物品調達を目的とした会社が設立され、発注の受付、サプライヤとの交渉窓口が一本化された。

集約化に伴い、関連事業本部様が約50の施設から注文を受付け、約70のサプライヤへ発注を出し、支払を起こすとなると業務量は膨大になる。
システム化以前の業務では、伝票処理の工数や間違い発注への対応、購買データの欠如など、問題が山積されていた。
これらの問題を解決すべく、2004年に某社の購買システム(ASP)を導入する事となる。
「最初に入れた購買システムにおいても、一定の期待効果を出す事ができた」と関連事業本部・七島課長は振り返る。
この取り組みによって、伝票処理に割いていた膨大な工数が削減され、問い合わせ業務の削減、購買実績のデータ化など、それ以前からは飛躍的に業務品質が向上した。
しかし、一方で期待した効果が得られなかった分野があった。肝心のコスト削減活動である。
「当時のシステムに期待した事は、マーケットプレイス機能であり、この思想が簡単に単価低減を実現すると、甘い認識を持っていた」(七島課長)
マーケットプレイス機能では、サプライヤ各社が自由に商品マスタを登録する事で、自発的な競争が発生し、結果として安い商品を比較しながら検索ができるという効果を期待していた。
しかし、実際には、同一品の多数掲載され、検索性が低下する(見つけずらい)、サプライヤから見て受注が確約されない為、思い切った価格が出せず、結果的に高コストになるといった諸々の課題が残った。
コスト低減を期待して導入した仕組みが、結果として効果を創出できず、その運用コストだけが継続的に支出されるというジレンマを抱える事になり、当社では思い切ったリプレイスの検討を始めた。
「リプレイスを実行する事で、それまで抱えていた問題はほとんどにおいて解決できた」と担当された永島氏は語る。
システムの運用費が飛躍的に削減された事も当然ながら大きな成果ではあったが、運用費を削減したにも関わらず、それまでよりもサービスレベルが向上している点も、リプレイスの意思決定を強烈に後押しした。
例えば、オンラインヘルプ機能、フリーダイヤルによるヘルプデスクサポートなど、ユーザーにとっての使い勝手が良くなる事で、現場の利便性が向上し、システムの稼働率が高まる、また、システム稼働率が高まる事でサプライヤからの信頼が高まり、定量的、論理的な価格交渉が可能になる、といった具合である。

「弊社ではシステム導入を2段階で行ったが、べんりねっとを使っている現在、物品コスト面においては概ね5%の単価低減を維持できている状態で、業務コスト面では初期に比べて70%程度の業務削減が実現されている。また、システム運用コストにおいては50%もランニングコストが低減された」(七島課長)と購買改革の取り組み効果を評価頂く。
また、今後については集中購買品目を更に拡大すると共に、SPD(Supply Processing&Distribution)システムとの連携も視野に入れながら、更なる発展を目指すと締めくくって頂く。
