商社
ソレキア株式会社 様
IT系専門商社が事務用消耗備品管理システムにべんりねっとを採用
購買業務の効率化やコスト削減を実現しSDGs対応にも貢献
ICTの総合的なコンサルテーションを提供するソレキア株式会社(以下、ソレキア)は、基幹システムの再構築を無事終えた後に、 事務用消耗備品の調達から支払いまでを管理する「社内使用品購入システム」の開発プロジェクトに着手。 その基盤となるクラウド型購買管理システムとして採用されたのが "べんりねっと"だった。 社内で「@Solect」(アットソレクト)という名称で運用を開始したべんりねっとは、 購買業務の効率化や、在庫削減・コスト削減の実現、内部統制の強化、環境マネジメントやSDGs(持続可能な開発目標) への貢献において多くのメリットをもたらすことに成功した。
≪POINT≫
- 仕入先数を32から12に集約し、ワークフローによる自動化で購買業務を効率化
- 各部署の必要量を合算して、スケールメリットを生かしたコスト削減と在庫削減を両立
- 承認ワークフロー機能を活用し購買ルールを徹底することで内部統制を強化
- ISO14001に向けた購買実績データ分析やSDGsの効率的かつ実効的な運用に応用
導入の背景
消耗備品の調達から支払いまでを管理
社内使用品購入システムの構築に着手
ソレキアは、国内29ヵ所に支社・サポート&サービス拠点を展開する、従業員約900名のIT系専門商社だ。 事業内容は、半導体・コンポーネントデバイスなどを提供する「テクノロジー・プロダクツ事業」、 お客様のニーズに合わせて様々な解決策を提案する「ICTソリューション事業」、 コンサルティングから提案・構築・サポートまでをトータルに提供する「サービス・インテグレーション事業」、 ITインフラの設計・構築や導入・運用支援サービスを提供する「インフラサービス事業」の4つを柱とする。 創業以来60年以上に渡り培ってきた業務プロセスやICTの深い知見を活かし、企画立案から運用・保守に至るまで、 ワンストップで総合的なコンサルテーションを提供できるのが強みだ。
同社は、2013年に17年間稼働してきた基幹システムを再構築し、全国の拠点にて分散していた事務処理を本社の事務センターに集中化した。 業務の集約化とそれに伴うマンパワーの削減によって、大幅な効率化が可能になった。 執行役員 リスクマネジメント部長 兼 コーポレートサービス部長 塩谷 明彦氏は、「次のターゲットに設定したのは長年懸案だった間接費の削減活動でした。 現場ごとに行っている間接業務を本部に集約することで効率化と経費削減につなげるとともに、 現場で負担をかけている社員を本来の営業や経理などに専念してもらう働き方の改革プロジェクト、それが『Net@OFFICE構想』でした」と語る。
Net@OFFICE構想は、IT資産管理や外注調達、経費精算など合計5つの個別プロジェクトで進行したが、中でも最大のチャレンジが、 事務用消耗備品の調達から支払いまでを管理する「社内使用品購入システム」の構築プロジェクトだった。 社内で使う事務用消耗備品は、旧基幹システムと同様、各拠点で分散した形で購買され、その調達先は32社にも及び、 関わる購買担当者は16名が従事していました」と述べるのは、コーポレートサービス部 債権債務事務センター リーダー 峯澤 晴文氏だ。 その上、部署ごとに異なる調達先から購買していたり、拠点の担当者が経費計上や請求書の突合、支払いを行ったりするなど、非効率的なやり方が長年続けられていたという。 「各購買担当者は、ノートを買う場合もネットをくまなく検索して1円でも安く調達し、個別に支払処理をするなど、相当の苦労をかけていました。 ノートのコスト削減より人的負担がかかる状況を改善し、現場の担当者をその雑務から解放させたいと考えたのです」(峯澤氏)
選定の理由
ポータルの工夫とメリットとの訴求で
社内使用品購入システムの利用率が75%以上を達成
社内使用品購入システムの基盤となるクラウド型購買管理システムを選定するため、複数の候補を比較検討する中で、第1候補に挙げられたのがべんりねっとだった。「べんりねっとに注目した最大のポイントは、サイト連携機能でした」と塩谷氏はいう。他社の購買サービスは、自社のサイトの中だけで品揃えを増やそうとするが、取り扱い品目の数や種類・分野には自ずと限界がある。 すると、ユーザーは複数の購買サービスを並列して利用することになり、サイトごとにアクセスし直すのは大きな負担となる。 「べんりねっとは様々なサプライヤのサイトと容易に連携できます。 例えばカウネットでは扱っていない工具や家電・PC周辺機器などの商品を購入したい場合は、その分野を扱うサプライヤを自由に選択できます。 一部の特殊な品を除き、概ね必要な事務用消耗備品を1回のアクセスで購入可能になると考えました」(塩谷氏)
そこで、ソレキアはべんりねっとを正式に採用。2016年4月から全社で利用が開始された。 しかし、当初は利用率が思うように上がらなかったという。コーポレートサービス部 債権債務事務センター 間々田 法昭氏は、当時の状況を次のように振り返る。 「各拠点においては長年利用していた調達先があり、その慣習を変えるのは容易ではなかったのでしょう。 まずはべんりねっとの良さを知ってもらうため、事務用消耗備品だけではなく、名刺の作成や、書籍の購入もできるといったメリットを訴求していくことで、少しずつ認知度と利用率を高めていきました。 一方で、べんりねっとの機能を使いやすいようにポータルを工夫するとともに、過去の購入履歴を分析して従来よりも安く購買できる商品を増やすなど、地道な普及活動を行っていきました」
その結果、2022年1月現在でべんりねっとの利用率(※)は75%以上を達成しているという。
(※)社内の対象経費総額に対するべんりねっとでの購入金額の割合
導入の効果
必要量の合算とまとめ発注により 在庫削減と購買金額削減を両立
べんりねっと導入の効果としては、主に次の3つが挙げられるという。 1つ目は、購買業務の効率化。べんりねっと稼働後は、32社あった仕入先が12社に減少した。 べんりねっとの内部では、カウネットを含め8社のサプライヤと連携されており、大幅な集約が実現できたことになる。 また、16名もいた購買担当者も2名にまで削減して重複業務を解消。 事務用消耗備品の取りまとめという雑務から解放された担当者は、コア業務に集中できるようになったという。
ソレキアでは基幹システムにべんりねっとの購買実績データを取り込むプログラムを独自に開発。 ワークフロー機能を活用し、上司から承認されれば発注がかかり、仕訳も支払いも自動的に行われるようになった。 「以前は注文後に納期を確認して注文書を発行し、請求書を突合してから、支払い入力をするといった作業を人が行っていたので、入力ミスなどの可能性もありましたが、 現在は自動でデータが入力されるのでヒューマンエラーによるリスクはほぼ解消しました」と峯澤氏はいう。
2つ目は、在庫とコストの削減。以前は事務用消耗備品の欠品を恐れ、多少過剰に購買することが多かった。 また、同じ商品を複数の部署が重複して保有したり、部署によっては類似の異なる商品を購買したりするなど、無駄な購買を行っていたという。 また、以前は同じ商品でも仕入先が異なることで価格もバラバラだったが、仕入先を集約することでスケールメリットを生かせるようになった。 「在庫削減と購買金額削減の両面でメリットが生まれています」と間々田氏は話す。
3つ目は、内部統制の強化とSDGsへの貢献。 べんりねっとへのログインは社内のポータルサイトからのみに制限されており、調達先もあらかじめ選定したサプライヤに限定されているため、適正性など購買状況の見える化が実現した。 塩谷氏は、「当社は商社なので仕入に関しては内部統制が強化されていますが、事務用消耗備品については必ずしもそうではありませんでした。 しかし現在はべんりねっとの承認ワークフローが機能し、購買ルールを徹底することで、統制が格段に強化されました」と話す。 また、べんりねっとは、エコマーク・グリーンマーク・GPN掲載品・グリーン購入法適合品を判別するフラグを商品マスタに設定可能なので、それら商品の優先購買を促進し、 ISO14001(環境マネジメントシステム規格)に向けた購買実績データの分析も容易になった。 さらに、それはソレキアが取り組むSDGsの実践活動にも役立っているという。 べんりねっとの購買データを抽出することで定量的に数字を報告できるため、SDGsコンパス(企業行動指針)の効率的かつ実効的な運用に貢献している。
今後は、購買可能品目に社内からのリクエストが多かった市販のソフトウェアやPC周辺機器を加えることで、べんりねっと利用率をさらに高めていくことも視野に入れている。 そのためのサイト連携の強化や充実化に向けた検討も、カウネットと協力して開始する考えだ。
塩谷氏は、「社内使用品購入システムにべんりねっとを選択したのは大正解でした。 調達や購買に関わるシステムの構築は初めての経験でしたが、カウネットには基礎から教えていただき、その親身なサポートには感謝しかありません。 そのおかげでべんりねっとを社内に定着化させることができました。これからも機能改善などの支援を期待しています」と語る。
企業データ
- 従業員数
- 約850名
テクノロジー・プロダクツ、サービス・インテグレーション、ICTソリューション、インフラサービスなどの提供