導入事例

製造業

TOTO株式会社 様

  • 内部統制強化
  • コスト削減
  • 業務効率化
「購買の見える化でコストを20%削減。ガバナンス強化と業務効率化も実現」

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不透明な購買を見える化。継続的なPDCAで現場の利便性向上と本部主導のコストリダクションを両立。

TOTO株式会社は、各事業所・グループ会社ごとに分散していた間接材購買を「べんりねっと」へ集約し、間接材購買の本部集約化を実現。
購買フローの統一と購買実績の可視化により、ガバナンスの強化・発注、経理処理の効率化・コストリダクションに成功した。

≪POINT≫

  • 複数のECサイトに分散していた購買を「べんりねっと」に集約し、全社の運用ルールを統一
  • 承認・検収機能の活用により、内部統制におけるガバナンスを大幅に強化
  • べんりねっとで可視化された購買データを分析し、配送費まで加味した戦略的な集中購買により約20%のコストリダクションを実現
  • 継続的な分析による標準品の拡大と外部サイト連携の活用により、文具・事務用品から工具・理化学機器をはじめとするあらゆる商材をべんりねっとワンストップで購入できる環境を構築
  • べんりねっと集約と利用拡大による支払いフローの統合で、現場の経理処理工数を約60%削減

導入の背景

組織ミッションと間接材購買における課題

「きれいで快適・健康な暮らしの実現」「社会・地球環境への貢献」を目指す住宅設備機器メーカーのTOTO株式会社は、共通価値創造戦略「TOTO WILL2030」を策定し、持続可能な社会の実現を目指している。
その中でサプライチェーン本部の2030年に目指す姿を、「強固で競争力のあるグローバルサプライチェーン」とし、TOTOグループの事業活動に貢献する重要なミッションを担う。

べんりねっと導入前の状況

TOTO株式会社
サプライチェーン本部
購買推進第一部
山中新二 氏

2012年度のシステム再構築前、TOTOグループの間接材購買においては、各事業所や製造グループ会社が個別に購入を行っていた。

サプライチェーン本部 購買推進第一部の山中新二氏は、当時の状況を次のように語る。
「同じ商材であったとしても事業所間でサプライヤーさんが違ったり、コスト差があったりという状況でした。グループ全体で間接材は年間数百億円購入しているにもかかわらず、全体の購買実績データは我々本部側では把握できていなかったのです。」

【導入前の課題】

  • 購買の分散と不透明性:各事業所や製造グループ会社が個別に購入していたため、TOTOグループ全体でのボリュームメリットが活かされておらず、全社の購入実績も可視化されていなかった
  • 運用ルールのバラつき:発注者が複数のECサイトの中から自由に選択・利用していたため、全社での運用ルールの統一ができていなかった。
  • 内部統制の不足:当時のECサイトは、承認無しでの発注や検収処理が行われないなど、内部統制上の不都合が生じていた
  • 非効率な購買業務:ECサイトで購入できる対象が「文具・事務用品」に限定されていたため、間接材購買全体で見ると業務効率化が進んでいなかった。

これらの課題を解決し、「購買統制をベースとした最大限のコストリダクション・安定調達を果たし、効率化につなげる」ことを骨子として、べんりねっとを活用した間接材購買基盤の再構築が行われた。

導入直後の取り組み

最大の壁は「現場への浸透」。地道な説明とトップダウンの連携がカギ

システム導入にあたって最大の壁となったのは、やはり「現場への浸透」であった。山中氏は導入時をこう振り返る。
「改革を始める前に全事業所を回って、背景や新たな運用ルール、全社的なメリットを説明して回りました。しかし、事業所によってはなかなか移行が進まないところもありました」

この課題に対し、TOTOは経営層を巻き込んだ強力な推進体制をとった。
「経営層が出席する全社的な購買会議の場で、事業所ごとの移行率を報告し、なかなか移行が進まない事業所には、トップから直接指示をしてもらったのです」と山中氏は語る。

こうした現場への丁寧な説明と、トップダウンによる強力な後押しにより、約1年というスピードで全社への浸透・定着化を完了させた。

導入の効果

べんりねっとへの一本化で購買の「見える化」と戦略的な「集中購買」を実現

全社購買実績の「見える化」と内部統制強化を実現。詳細な分析が可能に

「べんりねっと」への一本化により、これまで各事業所で複数のECサイトから自由に選択されていた運用ルールが全社で統一され、購買全体の見える化も実現した。
さらに、システム上で「承認機能」や「検収機能」を活用できるようになったことで、承認なしでの発注や検収処理の漏れといった不都合が解消され、内部統制を大幅に強化することができた。

また、各事業所の実績データが本部に蓄積されるようになったことで詳細な分析も可能となった。
山中氏は当時をこう振り返る。「べんりねっとにより、間接材の発注を我々本部に集約したことで、各事業所ごとの実績データをすべて把握し、全体の購買実績が可視化できるようになったのです。」べんりねっと内に備わっている「分析カテゴリ」を活用し、発注案件ごとに部門や勘定科目使途コードを紐づけて細かくデータを分析する体制が整ったことにより、課題の特定や次なる施策の立案が容易になったという。

分析結果に基づく戦略的な集中購買で、コストリダクションを最大化

山中氏らはこの蓄積されたデータを徹底的に分析し、独自のコスト削減戦略を展開した。
「細かく商材ごとに分析し、全国集中購買ができるものは全国で集約しました。しかし、全国集中購買できるからといって全てそうするわけではありません。例えば、商品代が安くても、地方への配送に別途送料がかかればトータルでは高くなってしまいます。そういった商材は、『エリア集中購買』へシフトするなど、どの方法が弊社にとって有利か棲み分けを行いました」と山中氏は説明する。

ただ単に購入先を一つにまとめるだけでなく、配送費まで加味した緻密な戦略により、年間約20%のコスト削減を実現した。

内部カタログと外部サイト連携での継続的な取扱数拡大により、個別対応や経理処理にかかる工数を削減

従来、ECサイトでの購入範囲は文具・事務用品に限定されていた。それ以外の商材が必要な場合、ユーザー部門は別の購買システムを通じて購買部門へ都度依頼を行い、購買部門は案件ごとに競合見積りや価格査定を実施。この個別対応に伴う多大な業務負荷が、組織全体の課題となっていた。

この課題に対し、社用封筒やコピー用紙に加え、ユニフォーム、安全用品など社内での購入頻度が高い品目や標準化可能な商材を抽出し、購買部門があらかじめ適正価格を査定した上で「TOTO標準品」としてオリジナルカタログへ順次登録した。
併せて、べんりねっと未掲載ながらニーズの高い特定メーカーの商材については、「オープンカタログ」として外部サイト連携機能を活用。
これにより、工具や理化学機器などのロングテール品も含めた多様な商材を一つのプラットフォームで完結できる環境を構築した。
データ分析に基づく継続的なPDCAにより、取扱品目を戦略的に拡大。導入から10年でべんりねっと経由の購入金額は3倍超にまで伸長した。
これにより購買部門の個別対応を最小限に抑え、発注時の大幅な工数削減に成功した。

さらに、べんりねっとへの集約と商材拡大は支払い業務の効率化にも大きく寄与した。
従来、現場ユーザーが各サイトで個別に行っていた請求書払い処理をべんりねっと内へ集約・取り込みした結果、現場の経理処理工数を前年同月比で約60%削減することに成功した。
「サプライヤーさんからも、これまで都度見積書を作成・提出していた業務が不要となり助かっています、と感謝されています。さらには、工数削減以外においても、注文データが発注部門からサプライヤーへリアルタイムに届くため、発注リードタイムの短縮に繋がっています。」と山中氏は語る。

取扱数が増えたべんりねっとでの商品選定の効率化には「サイト間一括検索」を活用

べんりねっと内で外部サイト連携(オープンカタログ)が拡大する中、発注者が各社のサイトを行き来して商品を探す手間を省くために、「サイト間一括検索機能」(横ぐし検索)が大きな役割を果たす。この機能により、べんりねっとの検索窓にキーワードを入力するだけで、複数社のサイトへ一斉に検索をかけ、結果を一つの画面に一覧表示させることが可能となる。

山中氏はこの機能の効果について、次のように語る。 「同じべんりねっとの中で重複するような商材があったとしても、コストや仕様がすぐに比較できる機能がリリースされたこともあり、外部サイト連携の拡大を加速することができました。」
これにより、現場の商品選択にかかる業務負荷が軽減されただけでなく、常に最も安価で最適な条件の商品を迷わず選択できるようになり、全社的なコスト削減の推進にも寄与している。

さらなる取り組み

全社で取り組む間接材費用削減の風土の醸成

TOTOグループは、物品購入の枠を超え、あらゆる間接費用の最適化へと発展している。

山中氏を事務局として全社組織で活動している「全社間接材CR推進委員会」は、べんりねっと・購買システムでの物品購入の枠を超え、電気・ガスなどのエネルギー費や通信費、保険料、旅費交通費に至るまで、全社横串でコストリダクションを推進する体制を構築。
全部門に推進者を設置し、部門ごとに目標設定・進捗管理を行ない、好事例を水平展開することで、会社利益への貢献の最大化を図る。

今後の展望について、山中氏は次のように語る。 「これからの購買部門は、従来のQCD管理に加えてサプライチェーンの強化・サステナビリティ調達など様々な課題に取り組まなければなりません。限られたマンパワーの中で最大限の効果を発揮するには、業務プロセスの自動化・効率化は不可欠です。そのために、べんりねっとの商材を更に拡大していきます。今後は物品購買だけでなく、サービス費用や業務委託費などもべんりねっとに移行できたらと考えています。将来的には、生成AIを駆使したべんりねっとの進化を期待しています。」

企業データ

従業員数
34,673名 (2025年3月現在) *契約社員・派遣社員を含む
所在地
福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1

トイレ、バスルーム、システムキッチン、洗面化粧台など水まわり空間における住宅設備機器事業のほか、セラミック事業など幅広く事業を展開
URL:https://jp.toto.com/

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