コラム

ノンコア業務は「副業務」「間接業務」とも呼ばれ、企業活動に不可欠ではあるものの、直接的な利益創出にはつながりにくい業務です。コア業務を支えるサポート的な役割を担い、経理や総務、事務処理などの定型化しやすく専門性の低い業務が該当します。
コア業務とノンコア業務には、以下の違いがあります。

企業が持続的に成長するためには、ノンコア業務を効率化し、限られたリソースをコア業務に集中することが大切です。

ノンコア業務の具体例

ノンコア業務の具体例として、企業のバックオフィス全般にわたる日常的なルーティンワークがあげられます。

ノンコア業務はマニュアル化や外部委託、システム化によって効率化しやすいため、企業がコア業務に集中するための見直し対象となります。

ノンコア業務の洗い出しは、以下4ステップで進めます。

1. 目的設定
2. 全業務をリストアップする
3. コア・ノンコア判定基準の設定
4. 務の分類と対応策検討

各段階のポイントを押さえ、効率的にノンコア業務を洗い出しましょう。

1. 目的設定

ノンコア業務を洗い出すためには、取り組みの目的を明確化することが不可欠といえます。業務効率化や人材の最適配置、コスト削減など、目的によってノンコア業務の判断基準が変わるためです。「コア業務へのリソース集中」が目的なら、人員配置や時間配分の実態把握からはじめます。「外部委託検討」が目的なら、業務の専門性や機密性評価からはじめましょう。組織の経営理念や中期計画を再確認して「企業が大切にする価値」を問い直すことで、コア業務とノンコア業務の判断基準が見えてきます。

目標を設定する際は、経営層を含めたキックオフミーティングを開催し、同業他社や異業種の先進事例や自社の独自性を踏まえて共通認識を形成しましょう。目標設定で十分な時間をかけることが、後工程のスムーズな進行と実効性の高いノンコア業務の効率化につながります。

2. 全業務をリストアップする

目的が決まったら、組織内のすべての業務をもれなくリストアップします。業務日誌作成やヒアリングを通じて「見えない業務」も徹底的に可視化しましょう。とくに公式文書に記載されていない「習慣的業務」や「属人的業務」にも目を向ける必要があります。
業務リストを作成する際は、業務名だけでなく以下の項目も記録します。

• 頻度
• 所要時間
• 関与人数
• ピーク時期

月次決算のような時期によって変動がある業務の特性や、業務間のインプット・アウトプットも把握しておくと、プロセス全体の最適化につながります。業務の可視化作業は地道ですが、短絡的なリストアップは重要業務の見落としにつながりかねません。後の判断の質にも影響するため、現場責任者や実務者によるレビューを通じて抜け漏れがないか確認することが大切です。

3. コア・ノンコア判定基準の設定

全業務をリストアップしたら、コア業務とノンコア業務の境界線を明確にしましょう。コア業務とノンコア業務の区別は単純ではなく、企業のビジョンや戦略によって変化します。たとえば、購買業務において、製造業では直接材の調達がコア業務になりやすい傾向です。一方で、多拠点展開するサービス業では、間接材の一括購買によるコスト削減がコア業務となることもあるでしょう。

業務のコア・ノンコアの区分は絶対的なものではなく、各企業の事業特性や戦略目標によって相対的に決まります。自社にとっての本質的な価値を再確認し、各業務分類の基準を設ける必要があります。

4.業務の分類と対応策検討

業務分類では、多様な視点をもつメンバーで評価会議を開催し、議論を通じて判断するようにしましょう。分類結果は縦軸と横軸の項目を設定して情報を整理、分析する「マトリクス図」で視覚化すると、全体像が把握しやすくなります。
ノンコア業務は「業務量」「難易度」「専門性」「機密性」をもとに分類し、以下の対応策を検討します。

対応策選定ではコスト比較だけでなく、リスク評価や社内受容性も考慮しながら策定しましょう。

ノンコア業務を効率化する方法は、以下の3つがあげられます。

• 業務の標準化・マニュアル化
• アウトソーシング（BPO）
• ITツールの導入

それぞれの特徴を正しく理解し、導入を検討してみてください。

業務の標準化・マニュアル化

業務を標準化することで、無駄や重複を防げるとともに、人材教育や人員変更時でも業務の品質維持が可能となります。業務の標準化には、現状の業務フローを可視化し、担当者へのヒアリングで暗黙の了解を言語化することが大切です。「なぜその手順が必要か」という理由を明確にしながら、無駄なステップを削ぎ落として最適なマニュアルを作成しましょう。
ただし、過度に細かいルール作りは現場の柔軟性を損なうリスクがあります。誰が担当しても同じ成果が出せる状態を目指しつつ、現場で柔軟に判断できる余地を残したバランスの取れた標準化を目指しましょう。

アウトソーシング（BPO）

アウトソーシングとは、企業が業務の一部を外部の専門業者に委託することです。BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）は、経理処理やデータ入力などの非中核業務を専門業者に委託するアウトソーシングの一形態を指します。
アウトソーシングできる業務の例は、以下の通りです。

• 人事関連業務：給与計算・勤怠管理
• 財務会計業務：請求書処理・経費精算

アウトソーシングにより企業はコア業務に集中でき、専門業者のノウハウを活かして高品質かつ低コストでの業務遂行が可能になります。繁忙期対応やスキル不足補完など、リソース変動への柔軟性が高いのも特徴です。

アウトソーシング導入時は委託範囲を明確にし、重要度と外部委託リスクのバランスを見極めることが大切です。委託先を選定する際はコストだけでなく、業界知識や実績、セキュリティ対策も総合評価する必要があります。

ITツールの導入

RPAや購買管理システムなどのITツールを活用すれば、作業の電子化によって時間短縮とミス防止を同時に実現できます。

導入によって業務効率化を実現するためには、目的の明確化と自社に適したツール選びが大切です。機能過多のツールより、解決したい課題に対応する必要最小限の機能をもつツールを選びましょう。運用体制や教育計画も事前に整備することが重要です。

ITツールには、クラウド型サービスやAI活用ツールなどさまざまなタイプがあり、選定時には使いやすさやカスタマイズ性、他システムとの連携性も考慮する必要があります。ITツール導入が目的ではなく手段であることを認識し、「何を解決したいのか」という視点をもつようにしましょう。
購買業務の現状整理や課題の洗い出しをする際には、購買フローの可視化が不可欠です。現在のフローを可視化したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

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ノンコア業務のひとつである購買管理業務は、多くの企業において時間と労力を要する煩雑な作業です。業務内容は発注依頼・見積もり比較・発注・納品確認など多岐にわたり、多くの企業で担当者の業務負担が課題となっています。

とくに日用品や備品などを含む「間接材」の購買管理は、品目の多さや発注頻度の高さから取引が複雑になりやすい傾向にあります。購買管理におけるノンコア業務を効率化するには、購買管理システムの導入がおすすめです。システムによって購買プロセスを一元管理することで、手作業による手間を削減し、入力ミスも防げます。購買履歴のデータベース化により、価格分析やコスト削減も容易になるでしょう。

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間接材の購買管理システム「べんりねっと」が業務効率化に役立つ理由は、以下の3つです。

• 発注・購買業務の一元管理で工数・ミスを大幅削減
• サイト間一括検索機能によるコスト削減と業務効率化
• 標準化・見える化による内部統制強化と属人化防止

システムによって効率化できることを明確にし、導入を検討してみてください。
べんりねっとが業務改善に役立った事例については、以下の資料でも解説しています。

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発注・購買業務の一元管理で工数・ミスを大幅削減

間接材の購買管理業務は、通常複数サプライヤとのやりとりが必要となり、発注方法は電話・FAX・メールなど取引先ごとに分散することも多いです。しかし、間接材の発注方法を「べんりねっと」を通じて一元管理すれば、発注業務や管理の手間を削減できます。また、承認機能を活用して決められた業務フローを確実に実行することで、発注ミスや不適切な購買も防止できます。システムで取得できる購買データを会計システムと連携すれば、支払い処理の手間を大幅に軽減でき、正確性の向上も図れるでしょう。

以下の記事では、べんりねっとの導入により発注コストを大幅に削減した事例を紹介しているので、参考にしてみてください。

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サイト間一括検索機能によるコスト削減と業務効率化

「べんりねっと」は複数の外部サイト連携カタログの商品を一括で検索できる「サイト間一括検索機能」を備えています。発注担当者はさまざまな取引先のカタログを横断的に検索・比較できるため、価格比較の手間を省きながら常に最適なコストでの購買が可能です。

また、オフィス用品を本社・支社・工場などで別々の取引先から購買している場合、「べんりねっと」に集約することで、購買金額のスケールメリットを活かしたコスト削減（ボリュームディスカウント）を図れるでしょう。購買データの一元管理によって購買分析が容易になり、無駄な購買の発見や標準品の設定によるさらなるコスト削減も期待できます。

以下の記事では、拠点ごとの購買先をべんりねっとに集約し、相見積もりの徹底によってコスト削減した事例を紹介しています。

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標準化・見える化による内部統制強化と属人化防止

「べんりねっと」の導入により、内部統制の強化と属人化の防止を同時に実現可能です。

間接材の購買管理は属人化しやすく、「誰が」「何を」「いくらで」購入したのかが不透明になる傾向があります。「べんりねっと」は購買プロセス全体を標準化し、すべての購買履歴を見える化できます。システム上で発注から検収までの一連の流れを可視化できるため、不正やミスのリスクを大幅に低減できるのです。設定した承認ルールに沿ってシステム上で申請が回るため、不適切な購買も防止できて内部統制の強化につながります。購買プロセスの標準化によって、担当者が変わっても業務の質が保たれやすく、属人化による不正リスクも大幅に軽減できるでしょう。

べんりねっとの導入によって内部統制の強化を実現した事例については、以下の記事で詳しく解説しています。

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承認ワークフロー機能の活用によって内部統制を強化。

ノンコア業務の見直しと効率化は、単なるコスト削減にとどまらず、企業全体の生産性や競争力を高めるための重要な戦略です。ノンコア業務を洗い出す際は、事業特性や戦略目標に合わせて、自社にとっての本質的な価値を確認しながら業務の基準を設けましょう。

間接材の管理業務を効率化するには、購買管理システム「べんりねっと」の導入がおすすめです。発注から支払いまでのプロセスを一元管理でき、属人化や業務の不透明化も防げます。

業務改善のアイデアや成功事例を参考に、自社に合った取り組みを着実に進め、持続的な成長と企業価値の向上を実現しましょう。