購買管理システムとは?便利な機能や導入メリットを解説
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購買管理システムは、発注業務を一元化・効率化し、作業工数を削減できるシステムです。
とくに、間接材は支出金額や物品の概要を把握しにくいため、システムで管理を行うと工数の削減につながるでしょう。購買プロセスの標準化や可視化によって、購買業務における不正を未然に防ぎ、内部統制の強化にも効果を期待できます。
本記事では、購買管理システムの機能やメリット、システムの選び方をご紹介しています。導入時の注意点もまとめているため、購買管理システムの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
購買管理業務を円滑に行う方法については、以下の資料にまとめています。準備編や実践編などに分けて解説しているので、あわせてチェックしてみましょう。
目次
購買管理システムとは
購買管理システムは、購買に関する業務を一元管理することで、購買管理の作業工数を削減できるシステムです。システムを利用すると、発注ミスやワークフローの複雑化が起こるリスクを減らせるため、作業工数の削減が可能になります。
また、購買業務をシステムで標準化・可視化できるため、内部統制の強化や購買業務に関するグリーン調達などの社内ルールを徹底させる効果も期待できます。
手作業による購買管理では、情報の収集・集約に時間を要したり、精度が低くなったりする場合がありますが、購買管理システムを導入することで、スムーズかつ正確な購買業務を実現できます。
実際何ができる?
購買管理システムサービス資料
具体的な活用方法は?
システムの導入事例
購買管理システムの種類・タイプ
購買管理システムには、以下の3種類があります。
- 直接材・間接材両方に対応しているシステム
- 間接材購買に特化したシステム
- 特定業務に強いシステム
種類によって機能や対応範囲が異なるので、購買管理を行いたい物品にあわせてシステムのタイプを選びましょう。
直接材・間接材両方に対応しているシステム
直接材・間接材両方の購買管理に対応しているシステムです。どのような物品の購入にも柔軟に対応できるほか、カスタマイズの幅が広く、さまざまな業種にフィットします。
オールラウンドな購買管理システムは、直接材・間接材の両方を一元管理したい場合に適しています。また、取引先のシステムや、自社の人事・会計システムに連携させたい場合も、柔軟性の高いタイプがおすすめです。
一方で、オールラウンドな活用ができ、機能が充実している分、システムの運用が複雑になるケースがあります。費用が比較的高くなる傾向があり、コストにも注意が必要です。
間接材購買に特化したシステム
オフィス用品など購入に携わる社員数が多い物品やロングテール品の購買管理には、間接材購買に特化したタイプがおすすめです。外部カタログサイトと接続し、複数のカタログを横断検索できる機能を活用すれば、購入費の削減にもつながります。
間接材の購入は個人・部署単位に分かれているケースが多く、購買管理の優先順位が上がりにくい業務です。システムを導入することで、各部署共通の購買ルールを制定したり、不正な購入を防止したりする効果が期待できます。
特定業務に強いシステム
宿泊業や研究業界などで必要な、専門的な管理項目が多い品目の管理には、特定業務に最適化されたシステムが最適です。
調達する物品の特徴に応じた検索や発注、管理フローに対応しやすくなる点がメリットといえます。総合的な購買管理よりも、さらに専門的に管理したい場合に適したタイプです。
購買管理システムの主な・代表的な機能8選
購買管理システムには、便利な機能が搭載されています。多くの機能から、8つの機能をご紹介します。
- 購買計画機能
- 発注管理機能
- 検収支払管理機能
- 仕入先管理機能
- 取引契約機能
- 価格管理機能
- 納期管理機能
- 品質管理機能
システムの種類によって、搭載されている機能が異なります。上記を参考に、課題解決に必要な機能を備えたシステムを選ぶことが大切です。
購買計画機能
購買計画機能とは、製品の生産計画を数値化・可視化し、購入価格を決定する機能です。次のような生産に関する情報をまとめて、購買計画の立案をサポートします。
- どの企業から
- いつまでに
- いくつ
- どの程度の価格で
また、考案した購買計画にしたがって購買業務が正しく行われているか確認したり、購買履歴などのデータを基に今後の需要を予測したりといった、分析にも活用できます。
発注管理機能
発注管理機能は、仕入先への発注依頼を作成したり、作業フロー・納期・数量などを管理したりする機能です。発注管理によって、企業の購買方針に沿って効率的に購買を運用できます。
発注先や商品の種類が多岐にわたる場合が多いため、システム化によるヒューマンエラーの抑制効果や作業工数の削減効果などを期待できるでしょう。
また、自社に届いた商品の種類・個数を正しく把握できるため、請求書との突合の効率化も可能です。
+α ) 便利な機能|連携サイト間一括検索機能
連携サイト間一括検索機能は、システムと連携したサイトのカタログから、一括で物品を検索できる機能です。
「べんりねっと」では、『モノタロウ』『オレンジコマース』(トラスコ中山)、『OCEAN』(アズワン)など、複数の外部カタログサイトから一括で商品を検索できます。
複数のカタログサイトから最安値の商品を選定できるため、購買コスト・作業工数を削減可能です。
とくに、間接材の購買には、連携サイト間の検索機能が便利です。物品の一つひとつは安価でも、企業全体で使用する物品を購入するとなれば無視できない金額になります。常に最安値の商品を選定できれば、コスト削減効果を得られるでしょう。
「べんりねっと」の機能は以下のページで解説しているので、詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。
検収支払管理機能
発注した物品を納品したのち、検収・支払い金額の確定を行うのが、検収支払管理機能です。注文ごとの支払いステータス・支払い条件を一元管理できるため、支払い時の突合処理が効率化できます。
また、検収状況の把握、不正の抑制も可能です。購買業務の内部統制を行ううえで、重要な機能といえます。
+α ) 便利な機能|データ連携・API連携機能
データ連携・API連携機能とは、購買管理システムと外部システム間でデータの送受信を行い、情報管理を一元化する機能です。
「べんりねっと」では、SaaS型ワークフローシステム、SAP・OracleなどのERPシステムとも連携できるため、購買業務に関わるIDメンテナンスの効率化や支払い業務の効率化が期待できます。
導入の際は、どういったシステムとの連携が必要か社内であらかじめ確認しておきましょう
仕入先管理機能
仕入先管理機能を活用すると、どの仕入先からいつ・何を・いくつ仕入れたかを管理し、今後の購買予定を立てられます。
過去の仕入先と物品の価格データを参考にすれば、より安い価格で仕入れられる取引先を選ぶサポートにも活用できる便利な機能です。
取引契約機能
取引契約機能は、物品を購入する際に結ぶ取引契約の内容を整理し、システム上で一括管理できる機能です。契約内容を電子化するため、契約違反を抑制できるほか、新しい契約内容の決定もスムーズに行えます。
また、契約の内容を遵守し、自社と取引先の関係を良好に保つ役割もあります。企業の取引関係を壊さないためにも、取引契約機能を活用しましょう。
価格管理機能
価格管理機能は、物品の購入価格を管理し、価格を適正に保つ機能です。過去の取引履歴から、物品ごとに最適な価格を設定することで、社内の適正な統一価格で購入でき、購買コストを抑えられます。
また、取引先の価格情報の更新や、競合他社との価格比較にも効果的です。適正価格で商品を仕入れたり、より安価な仕入先を選定したりするのに役立ちます。
納期管理機能
納期管理機能は、発注した商品の納期を管理する機能です。発注した材料や部品が指定納期までに届くかを管理できるため、主に製造業で活用されています。
また、納期に遅れが出た際に、自動で警告することも可能です。生産計画の延期や、代替計画の立案を早期に行えるため、被害の規模を抑えられるでしょう。
品質管理機能
品質管理機能は、取引先から仕入れた物品の品質を管理し、粗悪な物品を発見する機能です。事前に設定した品質基準に満たない物品を発見し、以降の生産工程を調整できます。
また、取引先ごとに品質の良し悪しを管理し、閲覧することも可能です。次回以降の取引では、品質の悪い仕入先から、別の仕入先に変更する判断の補助になります。
購買管理システムを導入する5つのメリット
購買管理システムを導入すると、5つのメリットがあります。
- ワークフローの効率化・購買プロセスの最適化
- 購買コストの適正化
- ヒューマンエラーの防止
- 内部統制の強化
- 月次決算の早期化
購買管理システムで実現できることを理解したうえで、ぜひ導入を検討してみてください。
ワークフローの効率化・購買プロセスの最適化
購買管理システムは、購買プロセスを最適化することで、業務の効率化につなげられるのが特徴です。
購買プロセスの最適化によって、発注や支払いなどに関わるノンコア業務から、よりコア業務に集中できるようになるなど、業務全体の効率化を期待できます。
以下は、「べんりねっと」の導入によってワークフローを効率化した事例です。ワークフローや購買プロセスに課題を感じている方はぜひ参考にしてみてください。
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病院独自のワークフローに対応したシステム設計で効率化を実現。
購買コストの適正化
購買管理システムの導入によって、取引先からの購入履歴を確認し、最安値の物品を検索できます。より安価に購入できる取引先を選定することで、適正な価格で物品を購入し、購買コストを適切に設定できるのがメリットです。
また、過去の購買実績を把握することで、コスト削減機会の発見につながります。同一物品をまとめて発注すれば、取引先に価格交渉を持ちかけやすくなるでしょう。
発注コストの削減に成功した事例は、以下のページで紹介しています。購買に関するコストに悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
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間接材購買基盤へのシステム導入で発注工数を50%に削減。
間接材の購買コストを削減する方法については、以下の資料で詳しく解説しています。コスト削減に取り組みたい方は、ぜひ資料をご覧ください。
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間接材コストダウンの4原則 》
間接材購買のコストダウンに必要な4つのポイントを解説。
ヒューマンエラーの防止
手作業で取り組んでいた購買業務をシステムに置き換えることで、ヒューマンエラーの抑制が可能です。データの管理はシステムに任せて、人間は分析や判断といった業務に注力できます。
また、手作業での購買業務は個人の判断やスキルの影響を受けやすいため、属人化が起きやすくなります。購買管理システムで業務を標準化できれば、誰が担当しても同じように業務を進められるため、属人化の防止にも効果的です。
内部統制の強化
購買管理システムを導入すると、購買内容やプロセスを一元管理できるため、内部統制の強化につながります。
部門ごとの発注をまとめて行い、購買プロセスを透明化・追跡することで、不正行為の防止やリスク管理が可能です。紙ベースでの管理では、改ざんのリスクが発生します。購買管理システムによって購入申請から承認、支払いまでのフローを管理することで、適切な購買サイクルを実現できれば、不正行為が起こりにくくなるでしょう。
以下のページでは、内部統制の強化に成功した事例を紹介しています。内部統制の必要性を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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購買ルールの徹底で内部統制の強化に成功。
月次決算の早期化
購買管理システムによって購買データを一元管理すれば、月次決算を早期に出せるようになります。
データを紙ベースで管理すると、数値の入力・計算が必要ですが、システムならば自動集計できるため、作業工数を減らせるでしょう。
購買データの正確性が増すため、時間を取られやすい確認業務をスムーズに行えます。
以下のページでは、請求明細データを活用し、支払い処理を効率化した事例を紹介しています。費用の仕訳や処理に工数がかかっている方は、参考にしてみましょう。
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費用の仕訳を効率化し総務担当者の工数を削減。
購買管理システム導入時に注意すべき2つのポイント
購買管理システムの導入時には、次の2点に注意が必要です。
- 導入コスト・ランニングコスト
- 導入までの時間
あらかじめ注意点を理解し、対策を講じたうえで購買管理システムを導入しましょう。
以下の記事では、購買管理システムを社内に定着させるポイントを解説しています。社内への定着は購買管理システム運用の課題のひとつであるため、あわせて参考にしてみてください。
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購買システムを定着させる2つのカギとは? 》
企業が抱えている購買システムの導入に関する課題の一つとして、組織内での購買システムの定着があります。
導入コスト・ランニングコスト
購買管理システムの導入と維持には、それぞれコストがかかります。たとえば、自社にシステムを構築するオンプレミス型では、導入費用が数百〜数千万円になるため、社内での審議が必要です。
また、システムの種類によっては、月額料金やアップデート料金などのランニングコストも必要になります。
導入のコストを抑えたい場合は、インターネット上にサーバーを構築するクラウド型のシステムを選びましょう。
導入までの時間
購買管理システムを導入しても、すぐに使える状態にはなりません。導入にかかる時間を把握し、導入・移行の計画を立てる必要があります。
たとえば、オンプレミス型の購買管理システムでは、サーバーの設置やシステム構築に一定の時間を要します。一方、クラウド型のシステムは設定のみではじめられるため、比較的短期間で導入が可能です。
導入のスケジュールを考慮し、オンプレミス型・クラウド型のどちらを導入するか検討しましょう。
以下の資料では、購買管理プロジェクトでの失敗事例をまとめています。注意点をしっかり理解したうえで導入を検討したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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購買管理プロジェクトにおける「失敗」事例 》
4つの失敗事例を元に購買管理を成功へ導くポイントを解説。
購買管理システムを選定する4つの基準
購買管理システムを選定する際は、以下4つのポイントに着目しましょう。
- 自社の課題を解決できるか
- 自社が購買管理したい物品にあっているシステムか
- 既存システムと連携できるか
- サポート体制は十分か
4つのポイントで複数の購買管理システムを比較し、自社にあったシステムを選びましょう。
自社の課題を解決できるか
購買管理システムを導入するのは、自社が抱える課題を解決するためです。したがって、システムを選定する際は、自社の課題を解決できる機能があるかを基準にしましょう。
たとえば、発注先・物品の品数が多い場合は、外部カタログ連携機能によって、購買業務にかかる工数の課題を解決できます。また、海外との取引を行う場合は、多言語・多通貨に対応したシステムによって、言語の壁をクリアできる点が便利です。
ただし、購買管理システムを導入しただけでは、自社の課題は解決できません。自社の課題を解決する機能を搭載したシステムを導入し、効果的に活用しましょう。
自社が購買管理したい物品にあっているシステムか
購買管理システムを選ぶ際は、自社が購買管理したい物品の範囲を確認して、相性のよいシステムを選びましょう。製品の生産に直結する直接材と、他業務の進行に必要な間接材では、管理に必要な機能が異なります。
購買管理システムの管理対象と、自社の購買業務対象にズレがあると、システムが十分な効果を発揮できません。各システムで管理できる物品を把握し、自社のニーズに合ったシステムを選定しましょう。
既存システムと連携できるか
自社の会計システムや生産管理システム、取引先の購買管理システムが連携できるかも重要です。他社・他部門が使用するシステムと、導入予定のシステムでデータを連携できるか確認しましょう。
購買管理システム製品は、会計ソフトや生産・販売管理システム、ERPなどのシステムと連携できるケースもあります。また、API・統合ツールを利用すれば、異なるシステム間での連携も可能です。
サポート体制は十分か
購買管理システムの構築・運用には、提供元企業のサポートが欠かせません。システム構築のノウハウ提供や導入後のヘルプデスク、社員トレーニング、定期フォローといったサポートが受けられるかに注目しましょう。
サポートが不十分だと、システムの運用に社内リソースを消費します。業務効率を上げるためのシステムで、余分な工数が発生するのは本末転倒です。日々の運用やトラブル対応を円滑に行うために、サポート体制が整った購買管理システムを選びましょう。
購買管理システムの導入をはじめとした購買改革を成功させるためには、パートナーの選定が重要です。パートナー探しのポイントを知りたい方は、以下の資料をご覧ください。
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購買改革のパートナーを選定しよう 》
購買管理に必要な手順を丁寧に解説。パートナーを選定する際のポイントも詳しく説明。
購買管理システムで作業工数の削減と内部統制を実現しよう
購買管理システムは、物品の購入から支払いまでのプロセスを一元管理し、購買業務を円滑に進めるシステムです。導入すると、ワークフローの効率化やヒューマンエラーの防止など、作業工数の削減や内部統制に役立つさまざまなメリットがあります。
システムの選定時は、自社の課題を解決できるシステムを選定することが大切です。購買業務にかかっていた工数を削減し、社内での不正な取引を防止するために、ぜひ購買管理システムの導入を検討してみてください。
購買管理システム導入で実際どう変わる?
購買業務でよくある4大お悩み
「コスト削減・業務効率化・内部統制・グリーン購入」。
これらをどのように解決したか、導入企業様の実例をご紹介。同じ課題を抱えた方がどうように取り組み、改善されたか、ぜひ参考にしてみてください。
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