建設業向け購買管理システムの選び方|よくある3つの課題と解決策も解説

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建設業の購買管理で、現場ごとに発注先や価格が異なり、全社でいくら購入しているか把握しにくいと感じていませんか。建設業の購買は現場任せになりやすく、価格のばらつきや業務の属人化といった課題が生じやすい領域です。
そこで本記事では、購買管理システムで解決できる建設業の3つの課題と、自社に合う製品の選び方を解説します。法令対応の観点や導入事例についても紹介しているので、購買管理の見直しを検討している方は参考にしてみてください。
目次
購買管理システムとは|購買業務をシステム上で完結させる仕組み

購買管理システムとは、見積依頼から発注・承認・検収までの購買業務を一元管理するシステムです。紙やExcel、メールで行っていたやり取りを、システム上に集約できます。現場や支店ごとに分かれていた発注も、同じ仕組みのなかで扱えるようになるのが利点です。
製品によっては電子カタログから商品を選んで発注できるため、品番や価格の入力ミスを防ぎながら手配できます。承認ルートを金額や品目に応じて設定できる製品も多く、決められた手続きを経た発注だけを確定させる運用も可能です。
蓄積された購買データから工事や部門ごとの支出を分析できるため、発注先や購入条件の見直しといったコスト削減にも活かせます。
建設業の購買は「直接材」と「間接材」に分かれる

建設業の購買は、工事に直接使う「直接材」と、それ以外の「間接材」に大きく分かれます。
| 直接材 | 間接材 | |
|---|---|---|
| 主な品目 | 鉄骨・生コン・木材などの資材 | 工具・保安資材・作業着・事務用品・消耗品 |
| 管理の状況 | 実行予算にもとづき、工事ごとに管理されることが多い | 現場ごとの判断で購入され、全社の支出として見えにくい |
直接材と間接材のどちらの購買に課題があるかによって、検討すべきシステムの種類も変わります。
工事ごとの原価を実行予算と突き合わせられていないなら、直接材に改善の余地があります。工具や消耗品の支出総額を把握できていないなら、間接材購買の見直しが必要です。システムの比較に入る前に、自社の状況がどちらに近いかを確認しておきましょう。
間接材については、以下の記事でも詳しく解説しています。
購買管理システムで解決できる建設業の3つの課題

購買管理システムで解決できる課題として、主に以下の3つがあります。
- 現場ごとに異なる発注価格や条件
- 社内に分散した購買データと工事原価
- 担当者に依存した発注業務
自社の購買のどこに改善の余地があり、購買管理システムでどこまで解決できるのかを明確にしましょう。拠点ごとの購買のばらつきなど、現場で起こりがちな悩みと解決策をさらに詳しく知りたい方は、以下の資料もお役立てください。
現場ごとに異なる発注価格や条件
建設業では現場ごとに調達先を選ぶケースもあり、同じ資材や消耗品でも現場によって購入価格が異なりやすくなります。
地場の取引先との付き合いが長く、価格を比較しないまま発注が続いているケースもあるでしょう。現場単位の発注量では、数量を背景とした条件交渉も難しくなります。
現場が多いほど価格差は積み上がり、全社で合計すると無視できない金額になりかねません。購買管理システムを導入し、発注先と価格の基準を全社で統一すれば、どの現場からでも同じ条件で発注できます。
社内に分散した購買データと工事原価
発注の記録が現場ごとの紙やExcelに残っている状態では、全社でいくら使っているのかを集計しにくくなります。どの購入をどの工事の費用として計上するのかが記録に残らないため、原価に振り分ける際は、請求書と現場の記録を1件ずつ照らし合わせる必要があるからです。
集計に時間がかかると、実行予算に対していくら使ったかをリアルタイムで把握できず、予算の超過に気づくのが遅れることもあります。とくに工具や保安資材といった間接材は、現場近くの店舗で都度購入されることもあり、経費精算に紛れて実態が見えにくくなりやすい領域です。
購買管理システムを導入すれば、発注データが一元化され、部門や費目ごとの集計もしやすくなります。請求書との突合にかけていた時間も減らせます。
担当者に依存した発注業務
購買では、どの取引先にいくらで発注するかの判断が、現場の担当者の経験に委ねられやすい傾向があります。担当者の異動や退職の際に、取引先や価格の根拠を引き継げないという問題も起こりがちです。
建設業では2024年に時間外労働の上限規制が適用され、人手不足も深刻化しているため、属人化した業務を見直す必要性が高まっています。とくに間接材は現場ごとに発注の件数が多く、担当者それぞれのやり方や、なじみのある取引先に任されやすい領域です。
購買管理システムを導入すれば、承認ルートや取引条件をシステム上のルールとして定められ、発注の履歴も残ります。担当者が変わっても同じ手順で業務を進められるため、引き継ぎの負担も軽くなります。
建設業の購買管理で欠かせない法令対応の観点

購買管理システムの選定では、業務効率だけでなく法令対応の視点も必要です。建設業法では、下請取引における見積条件の提示や契約書面の交付、代金の支払期日などにルールが定められています。これらは工事の外注に関する規定ですが、発注や支払いの記録を残し、あとから確認できる状態にしておくという考え方は、資材や消耗品の購買にも共通します。
記録の保存については、電子帳簿保存法への対応も必要です。2024年1月からは電子取引データの保存が義務化されました。メールやWebで受け取った請求書、注文書は、紙に印刷せず、電子データのまま保存しなければなりません。
インボイス制度への対応でも、適格請求書の受領と保存を購買の流れのなかで管理することが求められます。
紙やExcelでの管理では、書類の保存漏れや紛失が起きやすく、監査や調査の際に確認へ時間がかかることもあるでしょう。購買管理システムを活用すれば、発注から支払いまでの記録が自動的に残るため、法令対応の負担を抑えやすくなります。
建設業向け購買管理システムの選び方

建設業向けの購買管理システムを比較する際に確認したいポイントは、主に以下の4つです。
- 直接材と間接材のどちらを効率化するのかを決める
- 部門や費目ごとに費用を集計できるか
- 既存の会計システムや基幹システムと連携できるか
- 現場が使いこなせる操作性と運用支援があるか
いずれも導入後の定着と効果に直結するため、資料請求やデモの前に自社の条件と照らし合わせておきましょう。
直接材と間接材のどちらを効率化するのかを決める
建設業の購買管理システムを選ぶ前に、まず整理しておきたいのは対象範囲です。
鉄骨や生コンといった直接材は、実行予算や工事原価と結びつけて管理する必要があります。そのため、原価管理の機能を備えた建設業向けのシステムが候補になるでしょう。一方、工具や保安資材、事務用品といった間接材の購買を効率化したい場合は、カタログから発注できる間接材特化型のシステムが向いています。両方を一度にシステム化しようとすると、要件が膨らみ、導入の負担も大きくなりがちです。
直接材と間接材では、発注の流れも関わる部署も異なります。そのため、同じ仕組みに無理にまとめるより、課題の大きい領域から着手するほうが現実的です。自社の課題が工事原価の管理にあるのか、現場ごとに分散した間接材の購買にあるのかを整理しておけば、比較すべき製品の範囲を絞れます。
部門や費目ごとに費用を集計できるか
発注の時点で、部門や費目の情報を紐づけられるかを確認しておきましょう。
建設業では、支出をどの部門・費目に計上するかを整理する作業が欠かせません。購入の記録に部門や費目の情報が残っていなければ、経理担当者が請求書を1件ずつ照らし合わせて割り当てることになり、月次の締め作業に時間がかかります。
発注時に部門コードや費目コードを選択できるシステムであれば、購入データがそのまま集計に使える形で蓄積されます。あとから調べ直す作業が減り、締め作業の負担も軽減できるのが利点です。蓄積されたデータは、コスト削減の検討材料にもなります。どの部門が何にいくら使っているのかが見えれば、まとめ買いや発注先の見直しも検討しやすくなります。
既存の会計システムや基幹システムと連携できるか
購買データは、経理処理や支払業務にもつながっています。
システム同士が連携していなければ、発注データを会計システムへ手入力する工程が残り、二重入力の負担やミスが生じやすくなります。
確認したいのは、自社で使っている会計システムや基幹システムとの連携実績です。連携の方式やデータの出力形式は製品によって異なるため、既存の仕組みとつなげられるかを事前に確認しておきましょう。連携できる製品であれば、いま使っているシステムを入れ替えることなく、購買の部分だけを効率化できます。
建設業では原価管理や工事台帳、JV管理など業界特有の仕組みを使っている企業もあるため、それらを活かしたまま導入できるかを重視して選びたいところです。
現場が使いこなせる操作性と運用支援があるか
購買管理システムは、現場の担当者が日常的に使ってはじめて効果が出ます。
建設業の現場では、事務作業にかけられる時間が限られています。そのため、操作が複雑なシステムは敬遠され、結局これまでの取引先への電話や個別発注が残ってしまうことも少なくありません。カタログから選ぶだけで発注できるなど、現場の担当者が迷わず使える操作性かどうかを確認しておきましょう。
あわせて見ておきたいのが、導入時と運用開始後のサポート体制です。初期設定やマスタ登録の支援に加え、現場からの問い合わせに対応する窓口があるかどうかで、定着のしやすさは変わります。社内にシステムの専任担当者を置けない企業ほど、こうした運用支援の差が影響します。
機能の比較だけでなく、現場に定着するまで支援を受けられるかという点も、製品を選ぶ基準に加えておきましょう。
建設業の間接材購買なら「べんりねっと」

べんりねっと」は、コクヨグループの株式会社カウネットが提供する、間接材の購買に特化したクラウド型の購買管理システムです。1997年のサービス開始以来、5,700社以上の導入実績があります。事務用品や消耗品はもちろん、工具や保安資材、作業着といった現場で使う品目も、ひとつの仕組みで発注できます。べんりねっとの主な特徴は以下のとおりです。
- 計2,500社以上の連携実績があり、大手ECサイトから地場の取引先まで購買を一元化できる
- 発注時に部門や費目のコードを紐づけられ、支出の集計や経理処理にそのまま活用できる
- 会計システムや基幹システムとの連携実績が豊富で、既存の仕組みを入れ替えずに導入できる
「べんりねっと」には、ECサイトと連携する外部カタログに加え、ECサイトを持たない地場の取引先の商品を登録できる内部カタログ機能があります。そのため、現場が長年利用してきた資材店との取引を維持したまま、購買の一元化が可能です。
発注時に紐づけた工事コードや費目のデータは、基幹システムの連携仕様に応じて取り込みが可能です。JV管理などの工事ごとの処理についても、従来の運用に合わせた連携方法を検討できます。
システム導入時はもちろん、運用が始まったあとも継続的なサポートを受けられるため、現場や支店が分散していても定着を進めやすくなるでしょう。べんりねっとで解決できる課題や購入の流れについて知りたい方は、以下の資料もお役立てください。
拠点ごとに分散していた発注先を統一してコストを約20%削減した事例

住宅設備機器メーカーのTOTO株式会社は、事業所や製造グループ会社ごとに分散していた間接材購買を「べんりねっと」へ集約し、コストを約20%削減しました。
導入前は、発注者が複数のECサイトから自由に購入先を選べる状態にあり、同じ商材でも事業所によって仕入先や価格に差が生じていたといいます。グループ全体で年間数百億円を購入していながら、全体の購買実績を把握するのが困難な状況でした。
そこでべんりねっとへ一本化し、全社の運用ルールを統一しました。現在は、各事業所の実績データが本部に蓄積されています。商材ごとの分析をもとに、全国でまとめて購入するものと、配送費を踏まえて地域単位で購入するものを使い分けています。配送費も考慮して集中購買を行うことで、年間約20%のコスト削減を実現しました。
拠点ごとの発注をひとつの仕組みに集約することは、価格の統一だけでなく、データにもとづく購買の見直しにもつながります。本事例については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
建設業の購買管理システムに関するよくある質問

建設業の購買管理システムに関するよくある質問と回答を以下にまとめました。
- 建設業向けの受発注システムとは何が違いますか
- 建設業の原価管理ソフトとは何ですか
似た名前のシステムとの違いを押さえておくと、比較すべき製品を絞りやすくなります。
建設業向けの受発注システムとは何が違いますか
建設業向けの受発注システムと購買管理システムでは、対象とする取引の範囲が異なります。
建設業向けの受発注システムは、元請と協力会社のあいだで交わされる注文書や請書など、企業間の契約に関するやり取りを電子化する仕組みです。外注する工事の発注や、下請契約にともなう書類の管理を効率化することが主な役割となります。一方、購買管理システムが対象とするのは、資材や工具、消耗品といった物品の調達です。見積依頼から発注、検収、支払いまでの流れを一元管理し、誰が何をいくらで購入したのかを記録します。
建設業の原価管理ソフトとは何ですか
原価管理ソフトとは、工事ごとにかかった費用を集計し、実行予算と比較しながら採算を管理するソフトです。建設業では、材料費・労務費・外注費・経費といった費用を工事単位で把握し、予算を超えていないか確認しながら工事を進める必要があります。
原価管理ソフトを使えば、こうした費用の集計や工事台帳の作成を効率化でき、工事ごとの利益も把握しやすくなるでしょう。
建設業の購買は課題の大きい領域からシステムで改善しよう

建設業の購買では、現場ごとに発注が分かれやすく、価格のばらつきや購買データの分散、業務の属人化といった課題が生じます。
まずは自社の課題が工事原価の管理にあるのか、現場ごとに分散した間接材の購買にあるのかを整理し、課題の大きい領域から着手しましょう。製品を比較する際は、部門や費目ごとの集計や既存システムとの連携、現場が使いこなせる操作性と運用支援まで確認しておくと、導入後の定着につながります。
とくに間接材は現場ごとの発注件数が多く、システムを集約することで効果を実感しやすい領域です。自社の購買のどこに課題があるかを整理したうえで、比較検討を進めてみてください。

